退職することの報告は、仕事でお付き合いのあった外部の人たちへもしっかり行うことが大切です。
仕事を辞めてしまえばもう会うこともないだろうし、わざわざ連絡する必要もないだろうと思うかもしれませんが、もしかしたら新しい職場でまた違った形で関わりを持つ相手かもしれません。

めぐり合わせでまたお会いするかもな
直接会いに行かなくてもせめてメールで退職の挨拶をするようにしましょう。退職の挨拶をメールで行うときのマナーについていくつかポイントに絞って紹介していきます。
退職報告は外部の人にもメールすべき!目的や必要性を解説
仕事でかかわった外部の人は、社内の上司や先輩、同僚に比べるとかかわりが薄いため、
「退職報告の必要がないのでは?」
「退職報告のメールでいろいろ詮索されるのが負担…」
などなど、疑問や不安を感じてしまうことがあるでしょう。
ですが実は、外部の人にも退職報告のメールをすべき重要な目的、必要性があります。
ここでは退職の報告を外部の人にもした方が良い理由、必要性などを詳しく見ていきましょう。
仕事上でお世話になった方だから
退職報告のメールを外部の人にも送るべき理由は、「仕事上でお世話になった方」という大きな理由があります。
外部の方との業務上でのかかわりは、いろいろな相談に乗ってもらったり、サポートを受けたりと、自身の能力向上や会社の業績アップに貢献してくれた恩や縁があると言えます。
上記のような理由からも、退職の報告メールはお世話になった方だからこそ送信しておく必要があると言えますよ。
外部への退職報告メールが一般的なマナーだから
社外の方に退職報告のメールを送るのは、そうすべきなのか不要なのか判断が難しいですが、かかわりが深いほど「報告メールの送信は一般的なマナー」とたくさんの方が認識しています。
またたとえ外部の方であっても、取引やかかわりが多い分同僚や先輩・後輩感覚のような同族意識、信頼関係が深くなるとため、退職のメール報告は必須と言えます。
仕事に関する一般的なマナーはたくさんの方の常識・ルールと言っても過言ではなく、報告メールをしない原因で関係性が変わってしまうおそれも…。
上記のような影響を避けるためにも、常識に沿った対応をするのは社会人として必要と言えるでしょう。
相手に不信感、不快感を与えないため
たとえば、外部の人ではあるものの仕事上でそれなりにかかわりがあった場合は、退職報告してもらうのは当たり前、常識と感じるのではないでしょうか?
そのため、何の報告もなしに後になって退職したとわかると、
・「もしかして、円満な退職ではなく、何かトラブルがあったのかもしれない…」
・「何か失礼なことをしてしまったから、退職報告のメールがないのかもしれない…」
・「退職報告があって当たり前なのに…常識がない人!」
というように、どうしてもマイナスな気持ちを抱いてしまうと言えます。
たくさんのビジネスパーソンにとって、かかわりが深く頻繁にあった外部の人へは、「退職報告のメールは必須、常識」という意識があります。
そして、退職の報告を直接本人からメールされるのではなく、ウワサやまた他の外部の人から聞くのは、当人・相手の両方にとって後味が悪いと言えます。
上記のような理由からも、外部の方への退職報告のメールは、けじめや相手に不信感・不快感を与えないための対応と言えますよ。
外部の人への退職のメールは、退職日の約2週間~3週間前

外部の人へ退職のメールをする場合は、退職までの期間が2週間~3週間ほど空いているのがベストです。もしも有給休暇で退職前に休む場合は、その日数も考えて連絡を入れるようにしましょう。

そうか有給消化分も頭にいれておかなきゃ
退職日時は2ヶ月~3ヶ月前に決まっている場合もあると思いますが、今後の取引に影響を与えてしまうかもしれませんので、あまり早い段階で外部の人にメールするのは得策ではありません。
さまざまな社内事情などもからむ場合もあり、メールする時期やタイミングは自分ひとりの判断ではなく上司と相談して決めると安心です。
退職のメールをする時間はいつでもいい?外部の人にとって最適な時間帯は?

一般的に退職のメールを外部の人へ送信するちょうどよい時間帯は、相手の終業時刻の1時間前です。

1時間前か・・でもどうして?
就業開始からお昼前の間や、午後からの時間帯は通常業務が忙しいと予想できますし、かと言って終業時間ギリギリにメールを送るのも、早く帰りたい人やこれから残業という状況に水を指してしまい兼ねませんので、できるだけメールを受け取った外部の人の精神的、時間的影響の少ない時間帯を想定して送るような配慮をしましょう。
退職の報告を外部の人へメールする場合、一斉送信ってアリ?

外部の人への退職の報告は、メールの「一斉送信」機能を利用しても何も失礼ではありませんし、問題もありません。
退職の報告を受け取った外部の人は、送信方法にいちいちこだわる人はいないと思いますので、外部の人へ連絡する数が多いという場合は、連絡ミスのないようにしっかり一斉送信の機能を使って迅速に連絡するようにした方が、かえって相手の失礼にならずにすみます。
ただし、転職の報告が必要な外部の人とのつながりがあまりないという人や、特別親しくしていたという相手には、一斉送信ではなく個別で連絡メールをするようにしましょう。
メールだけに頼らず退職の報告は外部の人に直接会うことも検討しよう

退職の報告は、もしも会う時間がとれるなら、できるだけ直接挨拶に行くくらいの気持ちで行動することも大切です。特に深くお世話になった外部の人とは直接お会いして退職の挨拶をしたいですね。

そうだな、とてもよくしていただいたもの
外部の人によっては、退職の決定に関わらず週に1度、月に数回と会う頻度の高い人もいると思います、そのような人には特にメールではなく直接会ったタイミングで伝えるようにすると良いでしょう。
【年代別】退職の報告を外部の人へメールする場合のマナー
退職の時期は、人それぞれですが20代、30代、40代と年代によって外部の人との関係性に違いがあったり、退職したあとの人間関係にも違いが生まれるものです。
そこで、退職の報告を外部の人へメールする場合のマナーを年代別に分けて説明していきたいと思います。

え~っとわたしの場合は・・
20代の人が心がけるべきマナー
20代の人が外部の人へ退職の報告をするときのマナーとして考えておきたいことは、職種にもよりますが30代や40代の人と違い、それほど多くの外部の人との関わりはないと思います。
まずは、退職の報告として、退職日と後任者の情報、これまでのお礼と簡素なものにし、できるだけ直接外部の人のもとへ訪れてお世話になったことに対する感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。
30代の人が心がけるべきマナー
30代の人が外部の人へ退職の報告をするときのマナーとして考えたいことは、退職後の繋がりを意識するようなメールにしないことです。
30代といえば会社ではこれから現場の責任者としてさらなる活躍が期待される年代です。
その時期の退職となれば、キャリアを生かした転職を行うのだろうと外部の人は察するはずですし、今後、新たなお付き合いが始まることも相手側は想定しているでしょう。
しかしそれをあえて表面に出すようなことはしないことです。 あくまでも今の会社の社員の一員として挨拶と感謝の言葉をメールで綴ることが最低限のマナーとして心得ておくことが大切です。
40代の人が心がけるべきマナー
40代の人が外部の人へ退職の報告をする場合、ひとりひとりに丁寧に挨拶をしたいと思っても20代、30代の人と違い物理的に無理だろうというくらい外部の人との接点も多くあると思います。
この年代の人が退職の報告をする場合は、誰が見ても納得できるような内容の退職の報告を作り、一斉送信でメール報告するようにしましょう。
その上で、できる限り会える人には会い、会えない人にはハガキなどで改めて退職の報告をするのがおすすめです。
ハガキを出すときには、必ず自筆でひとことエピソードと感謝の気持ちを添えることを忘れずに行いましょう。
退職報告を外部の方にメールする時。感謝や誠実さが伝わる例文
外部の方への退職報告の必要性と同じくらいに重要視しておきたいのが、「感謝や誠実さが伝わる例文」です。
報告の内容ひとつで、良い方にも悪い方にも印象が左右されることが。
そして仕事上でかかわりがあった外部の方は、今後もお世話になる可能性が高いため、良い関係を維持するためにも感謝・誠意が伝わる退職報告メール例文をチェックしておきましょう。
長く深いかかわりがあった外部の方への報告メール例文
メール件名:退職のご挨拶
株式会社〇〇〇
〇〇部〇〇課
課長・常務・専務など〇〇〇様
「お世話になっております。
私事で恐縮ですが、○月○日にて退職することになりました。
最終勤務日は〇月〇日です。
これまで〇〇〇様には業務上における相談やサポートをたくさんいただき、心より感謝しております。
今後は同部署の〇〇〇が担当させていただくことになりました、引き続きご指導・ご鞭撻の程よろしくお願いいたします。
これまで大変お世話になり、ありがとうございました」
長くお世話になった外部の方への退職報告メールは、感謝の気持ちとともに今後の担当について触れておくと引継ぎなどがスムーズになります。
H3取引から数年開いている外部への退職メール報告分
件名:退職のご挨拶
〇〇〇株式会社
〇〇〇部
〇〇〇様
「いつも大変お世話になっております。
〇〇〇株式会社、〇〇〇部の〇〇〇です。
突然のメール、失礼いたします。
この度○月○日を持って退職させていただくことになりました。
直接挨拶に伺うべきところ、メールでのご報告を失礼いたします。
〇〇〇の際にはたくさんのサポートをいただきありがとうございました。
今後の後任は同部署の〇〇〇が担当となります。
変わらぬご指導をよろしくお願いいたします。
御社と〇〇〇様のますますのご発展をお祈り申し上げます」
取引が頻繁にあったものの期間が開いてしまった外部の方には、突然の退職報告に対するお詫び、一緒に業務をした際の感謝のエピソードなどを盛り込むと丁寧さと誠実さが伝わるでしょう。
~おわりに~

退職の報告を外部の人へメールするのは、決して失礼なことではありません。
どんなに薄い関わりだったとしても一度は関わったことのある外部の人へは、メールで良いので取りこぼしのないようにしっかりと連絡するようにしましょう。
そのうえで、深く関わってきた外部の人には、個別にメールしたり、直接会いに行く、ハガキでお礼を述べるなど臨機応変な挨拶を行うようにすると良いと思います。